資格5冠突破の極意とその意義

まず、すべての資格試験合格の基礎体力となる「英検1級」に、突破するには、①高度な語彙力(advanced vocabulary) ②頭の回転の速さ(agility=ability to think quickly and clearly) ③論理的思考力(critical thinking ability) ④記憶力(long-tern and short-term memory) ⑤一般教養(cultural literacy & general knowledge) ⑥根性(perseverance)が必要です。しかしその後、「5冠突破」へと向かわせるものは”character”です。

①の「高度な語彙力」に関しては、英検1級は、タイムやCNNを辞書なしで理解できる英語力を目指しているので、最低1万語水準レベルの語彙力を身につけるのは当然ですが、国連英検特AではさらにワンランクUPの1.5万水準以上を要求しているので、その突破を目指して勉強することは、そういった生の英語をエンジョイできるようになる目的のためにさらに効果的です。そこで、できるだけ速く高度な語彙力を身につけることが重要になってきます。

次に②の「頭の回転の速さ」と③の「論理的思考力」とは連動しており、細かい点のあら捜しではなく、一瞬にしてパラグラフのポイントをつかんだり、ポイントから述べて論理を構築するには、agilityが必要です。これはあらゆる英語検定試験に重要な要素ですが、特にiBT TOEFL高得点や工業英検1級を突破するのに重要なファクターです。これを鍛えるには、適当にしゃべる表面的な英会話ではなく、最初は深く考え、段々とスピードUPして行く、ライティング・日英翻訳→スピーキングへとトレーニングして行く必要があります。

④の「記憶力」はリスニング・読解では特にshort-term working memory、ボキャビルではlong-term memoryが重要です。前者は年齢とともに衰えて行きますが、有酸素運動で「脳力」の低下を食い止める努力をしたり、幅広い知識・教養・経験からくるカンと興味の広さで、かなりカバーすることができます。また、後者は情熱を持てば、若い人よりも記憶力は高まります。まずは英語の表現を好きになることです。

⑤に関しては、まず1次試験では、専門知識は要りませんが、読解問題やリスニング問題はアカデミックな内容のものが出題されるので、それらを読んでも苦にならず、楽しめるものも多いというぐらいの教養(cultural literacy)が必要です。また、2次試験では、政治経済を始めとする様々な分野の社会問題に関する分析的意見を求められるので、各種社会問題に対する背景知識が必要です。ここでも世界的、歴史的視野を養い、知識と分析を好きになることが重要です。

最後に、英検1級を突破する上で最も重要なのが⑥です。英語力の伸びも、試験結果も、長いプラトー(平坦)な後に急に伸びたり、ジグザグで上がったり下がったりしながら伸びて行くことが多いので、努力が反映しなかった場合、その結果に嘆くことなくのではなく、揺るぎない信念を持って勉強し続ける根性(perseverance)が必要です。ベストセラーのカイジ「どん底から這い上がる」によると、ウサギとカメの物語は、「カメがウサギに圧倒的な差をつけられても気にせず、努力し続け、最後をまで頑張り通したために勝利を得たことの偉大さ」が重要な教訓であるとしています。これを英検1級突破の学習に当てはめると、英語の勉強が、中年以後になってからやり始めたとしても気にせずに頑張り続け、年月はかかってもやり通すとなります。

「実力とは繰り返すことのできる能力のことである」とよく言われますが、英検1級にパスした後で再受験すると半分ぐらいの人が落ちてしまい、これはたまたまパスしたことを示し、繰り返すことができないので「実力」ではありません。私は今まで何度も、「合格」ではなく「突破」という言葉使ってきましたが、前者はある一定の基準を満たすという意味であるのに対して、後者はその基準を超えるという意味です。つまり、単に英検1級に書類上合格するだけでなく、合格後に、タイム、CNN、洋画、英文ライティング&ディスカッションをエンジョイできるようになるレベルに達するという意味です。

ここで重要なことは、5冠を超えた「英語の習得」という見地から見た場合、英検1級に合格して油断して休んでいる人が、英検1級にはなかなかパスしないけれど、その事を気にせずに努力し続け、最後まで頑張り通した人に負けてしまうという点です。素人から見れば、英検1級に合格することは凄いことですが、合格してみれば英語のマスターからは程遠いということに気がつきます。英検1級語彙力やアーギュメント力も身につかないまま、たまたま合格し、その後「うさぎ」になってしまうと、時間をかけて合格した人とでは、最終的に英語力にかなり差が出て来ます。そこで、大学入試のように、試験に合格しなければ次の段階に進めないわけではないなら、パスしなくても嘆くことなく、むしろ誇りを持って努力し続けることが重要です。その英語の勉強プロセスで、「英語の運用力」と「キャラクター」と同時に養われ、それがassetになって行きます。

人間の喜びには、「快」と「楽」の2つがあると言われていますが、字義的には、前者は「目標に向かって頑張って達成した時に味わう達成感と感動、つまり、気持ちが張って心が活き活きすること(the spirit of challenge and a great sense of accomplishment)」で、後者は「リラックスしたり、おいしいものを食べたりして得られる快感(comfort and physical pleasure)」です。そして、人間に真の喜びと幸せをもたらすものは、私のモットーである”Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る)”の意図する前者だと言われています。

世界恐慌の時代のマクロ経済学者のケインズは、「先進国では半世紀後に貧困の問題を解決するが、その後、人類は「目標の喪失」という新たな問題に直面する」と予測しています。そしてさらに、「目標の喪失は貧困問題の解決よりも深刻な問題である」と提言しましたが、目標を見失い、目先の仕事に追われたり、目先の快楽を求める現代人を見れば、その傾向は顕著に表れています。しかも、高齢化社会で寿命はどんどんと延び、その問題に輪をかけています。そういった中で、英語(英悟)の勉強は、視野と仕事の幅を広げ(broaden your career and cultural horizons)、人生に張りと喜び(the spirit of challenge and a sense of self-fulfillment)を与える”cultural enrichment”であり、人生に長期的目標(long-term goal)を与える悟りへの道(the process of spiritual enlightenment)であると信じています。
それでは皆さん、明日に向かって英悟の道を
Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る)   Ichay Ueda

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