2014年度第3回英検1級分析と対策Part1

皆さんお元気ですか。Ichay Uedaです。今回の英検1級は、読解問題の難易度が高く、落ち込んだ人が多いようですが、いつもより5点ぐらい点数が低かった人も多く、その代り、リスニング問題のPart1や3が比較的に簡単で、いつもより2点ぐらい上がった人が多いようです。語彙・英作はいつもどおりなので、英作の評価がいつも通りであれば、合格点は、いつもより2~3点低い78~79点ぐらいでしょう。

まず語彙問題では、13のirrepressible, 15のadjunct(addとconjunctionの組み合わせの類推), 17のaltercation(橋が折れた―ケイトと喧嘩するで覚える1.5万水準語彙であるが最近よくCNN Newsでも使われている)はハイレベルが語彙ですが、わからなくても消去法や類推で解ける問題です。少しレベルが高いですが、ボキャビルを真面目にやっている人であれば、句動詞問題で少し落としたとしても、運が悪くて20点、普通は22,23点は取れるでしょう。英検1級の合格したいのであれば、まず語彙問題を10分で解いて最低20点は取れるように頑張りましょう。

句動詞では、keyed up(今日のASCクラスの対話式リスニング問題4番でも用いられている)、dip into(dip into the savings(貯金に手をつける)、tap into resources(資源を利用する)、eat into the profits(利益に食い込む)と3大必須句動詞)と1級必須句動詞ですが、go atとdid upはat(目がけて)の前置詞の語感とdo(整える)の基本動詞の語感で解けます。こういった前置詞・基本動詞の語感に乏しい人は、私が投稿しているJリサーチ「ゼロからスタートEnglishジャパンタイムズST(隔週)「動詞力養成レッスン・解説&音読で基本動詞をマスター」をお読みください。

読解問題の分析はPart2で扱いますが、今回のトピックの分野は、「プライバシー、犯罪対策、政治史(ローデシア独立への道)、先端技術(最近話題のスペースエレベーター)、政治史(ワイマール共和国とカップ一揆)」となっており、いつもながら政治史に偏っています。内容一致問題では、10問中「因果関係」が5問、「意見のポイント」が3問となっており、そういった視点で普段から高度な文献を速読して理解するトレーニング必要です。そうすれば最低でも18点は取れるようになるでしょう。

今回のエッセイライティング問題(都市化の日本社会への影響の是非)は楽勝パターンで、与えられた語句を見てすぐにprosかconsかがわかるので、普段からエッセイライティングトレーニングしている人はあっという間に書けたでしょう。prosではurbanizationによって、 transportation networkやeducational and cultural facilitiesがdevelopするので convenienceがもたらされ、increase economic activity and job opportunitiesになるので、positive economic effectが起こり、medical facilitiesが増えてpromote healthになります。それに対して、consでは、urban developmentはpollutionやtraffic congestionなどenvironmental degradationが進み、その結果healthにも悪影響となり、都会生活はせちがらく、weaken community tiesやisolation from societyやdehumanize our societyなどを起こし、have a negative effect on human relationsとなり、都市化は地方の名勝地元の文化に根付く祭りなどの行事local festivalsやlocal tourist spotsやlocal specialtiesに打撃を与え(USJやDCなどのテーマパークに人が集まる)、traditional values and cultureが損なわれるもととなって、どちらでも書けますが、consの方か4つのポイントが作れます。いずれにしてもすこぶる簡単なトピックなので、リスニング問題の選択肢を先読みでき、頭が疲れた状態で受けることがないように20分で書けるようにトレーニングするのが理想的です。

リスニング問題では、Part1が過去に出題されたのと同じ問題が4問出ていましたが、reversal(情報のどんでん返し)の問題も出ているので要注意です。Part2ではサイエンスに関する話題が多いので、読解問題対策とも並行して、ディスカバリーチャンネルやサイエンス物の洋画を見たり、サイエンティフィックアメリカンなどを普段から読んで、科学の知識と語彙を身につけるようにしましょう。まずは歴史とサイエンスに興味を持つことが第1歩です。それから、私の前著「英語で説明する科学技術」はサイエンスに関する重要な知識がコンパクトにまとまっているので、是非活用してください。また、Part3はいつもより簡単だったようですが、Part4はナチュラルな英語で聞き取りにくかった人もいるようで、そういった人は私の無料洋画セミナー(今年は東京・横浜でも実施予定)に参加してナチュラルな英語を聞き取れるリスニング力を養いましょう。

全体的には、英検の受信力チェックの問題は歴史とサイエンス、発信に関しては社会学的な問題が中心となっています。また語彙問題はSATとGREの中間レベルに句動詞が加わり、合計点で7割の79点をゲットするのは段々と難しくなっています。しかし、その3倍難しいのは合格した後でテンションが下がり、なおかつ1級の英語力を維持することです。励まされながら前向きに不断の努力をすれば、いつかは合格点を突破することでしょうが、合格後にさらにそのスキルを維持またはアップするためには、対策勉強のプロセスで身につけた、英字誌リーディング、英語放送リスニング、論理的スピーキング&ライティングの習慣を継続しつつ、さらに上のレベルの資格を目指していく必要があります。

それでは皆さん、明日に向かって英悟の道を

Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る)

 アクエアリーズ・スクール・オブ・コミュニケーション学長

植田 一三(Ichay Ueda

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